ビールをつくる楽しさに目覚め醸造の教室を開催しているフランス人著者、ギャレック・オベール
『ビールは楽しい!』絵で読むビール教本。
フランスのワイン文化の中でのビールの扱われ方、ワインとの対比なんかが垣間見えて新たな視点が手に入る1冊となっています。
まずイラストが可愛らしくほぼ全ページでビールの材料なんかがキャラクター化され登場します。
とても分かりやすい本で、そもそもビールとは何なのか?が広く学べます。
まず目次。
- ビールとは何か? 約40ページにわたりイラストを交え原料の解説、ブルワーの仕事、世界の発酵飲料について紹介しています。
- ビールの選び方 「ビールを買うにあったてどこで買えばいいの?」
という疑問に公平にメリットとデメリットを教えてくれています。
例えばビールを買うなら専門店が一番!なんて勧め方ではなく専門店のメリットは品揃え、店員さんにアドバイスを求めることが出来る。
デメリットは価格‥とか。
スーパーマーケットのメリットはリーズナブルでストックもある!サッカー観戦、BBQのお供としては申し分なし!デメリットは種類が少なく保管状態が残念‥など。 - ビールの飲み方 グラスの解説や2章と一緒で、街角のバー〜家飲み等のメリットとデメリットを解説しています。
あとはビールの好みは人それぞれだよね〜等。 - ビールの味わい方 テイスティング、テイスティングに対する考え方、テイスティングノート、イラスト付きの分かりやすいフレーバーリストなんかが載っています。
- ビアスタイル 様々なビールのスタイル(38種)をキャラクター化したイラストで紹介しています。
- ビールの産地 ビール関連に特化した世界地図が載っています。
ホップの産地やメインの都市、有名なブルワリーが地図上で一目瞭然で、こんな地図はなかなか無いかも! - ビールと食材の組み合わせ フランスでのビールの扱われ方を交えながらペアリングの説明をしています。
- 付録 ビールのこれからについての考察と雑学になっています。
オススメとしてはビールの味わい方の4章です。
テイスティングは競争ではなく、ビールを楽しむための個人的体験だよーってのがベースの考え方になっていています。
自分自身、海外の異文化の中で生活した事が無いので、今まで食文化などの文化的背景が違うと、風味の感じ方も違う!と聞いたことはありましたが、これを読み文化的背景とはなにか?をなんとなく理解しました。
スタウトやポーターを味わう時、西欧人はコーヒーやカカオの風味を感じるが、日本人は醤油のニュアンスを感じ取る。
2019年 株式会社パイ インターナショナル 著 ギャレック・オベール ビールは楽しい! 92Pより引用
それに身体機能。
アスパラガスを食べた後の尿には独特の香があり、これを感じれる人と感じれない人がいる。
著者は匂いを感じやすいから良いとかではなく、感じ方が違うからこそ、嗜好の多様性が存在するのだと言っています。
多様性はビールの大切な魅力ですもんね!
フランス人著者からみたワインとビールの違いは?
著者がビールとワインの違いを分かりやすく表現してくれている一文もメモしておきます。
ワインの格付けがテロワール(産地、畑の区画)に基づいて行われているのに対し、ビールは原料とレシピによって特徴が決まる「技術的な」飲み物である。国名を冠したドイツスタイル、ベルギースタイルなどが存在するが、理論的には、世界中のどの国のブルワリーでも、必要な材料、ノウハウがあれば、これらのスタイルを表現することが可能だ。
2019年 株式会社パイ インターナショナル 著 ギャレック・オベール ビールは楽しい! 116Pより引用
最後に
この本は、目次を開き興味が湧いたところから読んでも問題なく読めます。
もっと専門的に学びたい人には物足りないかもしれないですが、ビールの関連知識を網羅していて、タイトル通りビールの楽しさを再確認できます。
ヤニス・ヴァルツィコスさんのイラストも素敵すぎるので楽しさが2倍になっています!
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