すみません、最初に言っておきます。
歌手のマイケルじゃないです!
「世界的なビール評論家」のマイケル・ジャクソンの本です。
日本地ビール協会が1998年に発行。なので2020年現在で22年前の本となります。
伊勢角屋麦酒の鈴木成宗さんの書籍発酵野郎!: 世界一のビールを野生酵母でつくるにも登場していてベルギービールを世界に知らしめたマイケル。彼に飲んでもらえるだけでも光栄!ってレベルの人です。
発酵野郎!がどんな本か気になる人はこちらを読んでみてください。
»参考:世界で最も歴史のあるビール審査会で2大会連続金賞の伊勢角屋麦酒。鈴木成宗社長が考える、おいしいビールとは?
どんな本なの?
この重厚感伝わりますかね?
1日1時間程度。読み終えるのに1ヶ月以上かかりました。
Amazonカスタマーレビューの、「これ1冊あれば他の本はいらないくらいの情報が載っている」という評価通りの本です。
すでに中古しかなく、重版の予定も無いんじゃないかと思います。
中古価格でも1万円位するので自分自身購入を躊躇していました。
でも、ビールに携わる仕事をしている人、知識を深めたい人。
そんな人は今のうちに買っておくことを勧めます。
高いし、購入を迷うなーって人のためにどんな本なのかを少し紹介します。
大きく分けると4つの情報が載っています。
- ビールの材料について
- 世界のビアスタイルを6つに分け、更に細かく分類し解説(全部で50種くらい解説してます)、歴史、醸造所の紹介
- ビールと料理のマッチングについて
- マイケル・ジャクソンのビールハンティング
(マイケルがビールを楽しんだ場所を17カ国ほど紹介 ※日本もあります)
とくにビアスタイルの説明では、歴史と代表的なブランドを紹介し、
初期比重、アルコール度数、色度数の記載もあります。
なにより本人が現地に足を運び手に入れた生の情報が満載です。
例えば、南ドイツで小麦のビールを飲んだ話。
南ドイツのウィートビールを最初に飲んだ頃には、グラスによくレモンのスライスが浮かんでいたものでした。
1998年 日本地ビール協会 ビア・コンパニオン P58 より引用
このように現地の人の飲み方、ブルワリーの人から直接聞いたビールの材料の話等が満載です。
この情報を自分一人で手に入れようと思ったら、いくら時間とお金があっても足りないだろなーと感じる内容となっています。
正直、字が多いという点で読みづらいです。しかしビールに携わる人なら誰もが知ってるマイケル・ジャクソン。その濃い情報が満載の本書。
例えるなら、今販売されている巷のビールの解説本が家庭用水(殺菌され安全、安心、味も一定で飲みやすい)なら、この本は水源地の湧き水(飲むのに勇気が必要!余計な塩素臭はなく、野性味があり、山のエネルギーを感じる)をそのまま飲んでいる感覚になります。
最後に
この本のまえがきで訳者の、当時日本地ビール協会の会長の故小田良二氏がこんなことを書いています。
20年後、人々は今はまだ口にしたことがないたくさんのビールを前にしているはずです。
1998年 日本地ビール協会 ビア・コンパニオン 訳者からひとこと より引用
TPOに適した1本のビールを選ぶために、大いに迷っている姿が浮かびます。
お酒を飲み始めた頃はビールに種類があるなんて知りませんでした。
今はコンビニ(特にローソンがいい感じ)でもいろいろなビールをチョイス出来るので、20年前に予想された未来に近づいているんじゃないかなーと思います。
ちなみにこの本で覚えておきたいなーと感じた豆知識を一つ。
マイケルが初めて飲んだビールは、サミュエル・スミスのビールだったそうですよ!まだ10代だったと言っちゃってます笑
ゆるやかでひろーい時代感がありいい気分で読めます。
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