「そもそも発酵ってなんだろう?」
ちゃんと調べてなかったなーと気付いたものでして。
発酵についての入門書は無いものか?
と見つけたのが、
著者は名古屋工業大学名誉教授でもある齋藤勝裕さん。
アマゾンで検索すると40冊以上出版されており、
汚れの科学 や料理の科学、毒の科学など様々なジャンルを科学的に解説している本が多いようです。
どんな書籍?
全13章からなっており、
- 発酵とはなにか?
- 微生物とはなにか?
を最初に解説しています。
味噌、醤油、魚介の発酵、肉の発酵、お酒など食品の発酵や、
和紙や土壁など衣食住に、いかに発酵が関わっているかを様々なジャンルから多角的に理解できます。
世の中には石油をつくる微生物もいるそうでして…
驚きです。
イラストも多いので入門書としてわかりやすいです。
発酵とはなにか?
発酵とは微生物が行う行為のことです。
発酵と腐敗は科学的には同じ現象ということができます。
私たちに有利な結果をもたらすものが発酵であり、不利な結果をもたらすものが腐敗というわけです。
2019年 株式会社 ベレ出版 著 齋藤勝裕 「発酵」のことが一冊でまるごとわかる 11Pより引用
「人間に役立つかどうか」が発酵と腐敗の違いなんなんですね!
なんとも曖昧で意外な答えでした。
おすすめの章は?
やはりビールにつながる知識を深めたいので、
【11章の「お酒と発酵」の関係をさぐる】がおすすめです。
ワイン、日本酒、ビールというメジャーどころのライトなつくり方が紹介されています。
その他にもモンゴルの馬乳を使用した馬乳酒のつくり方や、
中国の変わったお酒でマオタイチュウのつくり方などなど。
マオタイチュウはふつうの醸造酒のように液体で発酵を行うのではなく、
個体状態で発酵させるお酒でして想像がつきません笑
ざっと説明すると、
- 大麦、小麦などを砕いたものを水に入れ、混ぜてレンガ状の形に整える
- 暖かい部屋に放置して、天然の麹菌や乳酸菌で麹を作る
- 蒸した高粱(中国の主食に当たる穀物)に混ぜる
- 地面に穴を堀り土をかぶせて発酵
- 数週間後、発酵したおかゆを蒸留
- 麹を混ぜて再度発酵する
- 数回繰り返す
- 更に瓶の中で長期熟成
- 完成!!!
なんとも手間がかかるお酒です。
ちょいとした豆知識を一つ。
ウイスキーのオールドパー(45%)を一晩に一本空けると言われた当時の田中角栄首相が、
中国を訪問した際、マオタイチュウの乾杯攻めにあって酔いつぶれたそうです。
少し飲んでみたい。
まとめ
ビールについての記述は、
11章の【「お酒と発酵」の関係を探る】
のなかの数ページ程です。
しかし発酵がどういうものなのか?
という視点は広く手に入れることが出来る内容となっています。
イラストも多く入門書として最適です。
微生物の恩恵を大切に考えながらビールを楽しもうと思える1冊でした。
コメントを残す